医師と子供達がうまくコミュニケーションするために 
                  −医師の皆さんへのお願い−

Sharon Walk

Mail Magazine ME/CFS Information, No.5-No.6, 2001.8.12-2002.8.19

Improving Communication Between Doctors and YPWCs
http://www.cfids.org/youth/articles/medical/gap.htm




 ほとんどの場合、医師と患者のコミュニケーションは、うまくいきません。診察を受けても、お互いの考えが分からないまま、患者は診察室から帰って行くことになります。この記事で、シャロン・ウォークと子供達たちは、このような医師と患者間のコミュニケーションギャップを埋めるため、お互いをより良く理解するための方法を提案しています。 (編者)



医師のみなさんへ

子供達とのコミュニケーション、彼らへの理解を深める方法


1.質問をする時間を十分に設けてください   
 多くの場合、予約時間はあっという間に過ぎてしまい、聞きたいことがあっても聞けないことがあります。そのため、症状が重い場合、治療法を良く理解できていない場合には、いつもよりも長い時間の診察予約ができるように、診療予約係に伝えておいていただきたいのです。また、診察の最後に、もう聞きたいことはないか、話し合ったことを理解しているか尋ねて欲しいのです。もし時間を 確認する必要があるのなら、患者の気付かないところに時計を置くといいかもしれません。たびたび時計を気にされると、私たちは遠慮して質問したり心配事を口にすることができなくなってしまうのです。


2.子供にも分かるように話してください   
 患者はまだ小さい子供であることを忘れないでください。そして、専門用語は時間をかけて説明するよう心がけてください。もちろん、子供の年齢やCFIDSについての知識、一般的な医学知識の量よってその時間は変わってきます。


3.診察の間、両親ではなく、直接子供の話を聞く時間を設けてください   
 たいていの場合、年齢の低いCFIDS患者は、親と一緒に診察に行きます。診察の間に少なくとも2-3分は、子供から直接話を聞く時間を設けてください。両親の前では話しにくいけれど、医師にはきいておいてほしいことがあることもあります。


4.何かを決めるときは、子供の意見も聞いてください   
 子供たちは、自分の人生なのになにもできないと感じることがよくあります。 治療、学校、社会生活に関することが、どれも医師や学校や親に命令されていると思うことがよくあります。主治医として、これらのことを決めるときには子供の意見も取り入れるようにしてください。ああしなさい、こうしなさいと言わずに、子供達がしたほうがいいことを提案し、それができるかどうか聞いてほしいのです。選択肢が与えられ、それらに対する意見を聞いてもらえることで、子供達は喜び安心するのです。


5.前向きに問題解決できるように勇気付けてください   
 CFIDSという同じ病気に罹っていても、あるCFIDS患者には効果のある治療法が他の患者では効果が見られない場合もあります。社会レベル、活動レベルを向上させ、生活の質を高められるように、両親や私たちでいろいろなアイデアについて話し合う機会を与えてください。協力することで、それぞれの患者に合った 治療法や学習計画を作ることができると思います。


6.子供を信頼してください   
 子供達は、病気だと信じてくれない人やCFIDSを理解していない人にいつも囲まれています。だから、医師に信頼されている、信用されていると思えることが大切なのです。


7.信じてもらえないことからくる不安感があることを理解し、手を差し伸べてください
 ひとつのことが上手く行くと、その後、病気がひどくなるまで頑張るように強要されるかもしれないと怖くなることがあります。自分が本当に病気なのか、そのことすら自分で分からなくなってしまうほど、親や医師に強く言われることに子供達は恐怖感を抱いています。それはCFIDSと診断されるより前に、医師、 先生、両親から言われてきたことが耳に残っているからかもしれません。ほとんどの子供達は、「病気じゃないんだから、もっと頑張らなきゃだめだ、外に出なきゃだめだ」と言われてきているのです。「本当は病気じゃないんだよ」と言ってがんばらせようとする人や、「無理にでもがんばらせることが子供達のために なる」という考えている人もいます。子供達は、これらに対して「できません」と言わなくてはならないのです。 医師としてそのことを忘れないでほしいのです。初診のときCFIDSと診断されたばかりの子供には、今起こっていることが現実であることを教え、医師として子供達の生活の質を改善するためにできる限りのことをすると約束してください。これまでに同じような病気の子供を診たことがあるか話してあげてください。治療法や病気に対する理解への子供の反応に耳を傾けてください。体調が良いときはできるだけ学校へ行って、友達と遊びたいと本当に思っているのが普通であることを分かってください。


8. ためらわずに「よく分からない」と言ってください。  
 CFIDSを良く知っている医師でも、この病気のことが良く分からなくなることがあります。私達もそれは良く分かっています。例えば、変わった症状が表れたり、治療により予期しない効果が表れた場合などがそうです。そんなとき、診察を受けていると、言われたとおりにしなかったんじゃないか?良くなりたいと思っていないんじゃないか?と疑われているような気持ちになることがあります。そして、疑われることですごく悲しい気持ちになります。予想外の効果が表れた原因、変わった症状や問題が表れた原因が分からなくても、それらを受け入れようという姿勢を示してもらいたいのです。CFIDSに罹っている私達自身も同じように混乱しているのです。誠実さ示して頂くことで、私達は先生方を尊敬することができるよう になると思います。



翻訳:
Jp-Care


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