慢性疲労症候群を持つ子供達の13年間の経過観察
by D.Bell, K.Jordan and M.Robinson
Mail Magazine ME/CFS Information 第7号 2001.8.26 掲載
原題:Thirteen-Year Follow-Up of Children and Adolescents With Chronic Fatigue Syndrome
Pediatrics, 2001 May;107(5):994-8
アメリカCFIDS協会、Youthホームページ, http://www.cfids.org/youth/ynews.html
(目的)
発症してから13年間の慢性疲労症候群を持つ子供達の教育的状況、社会的状況、病状の経過を明らかにする。
(方法)
1984年1月から1987年12月までの間に、46人の子供達が慢性疲労症候群と思われる病気を発症した。その内35人の子供達から追跡調査アンケートの回答が得られた。彼らの発症からの平均経過年数は、13年であった。このアンケートにより、その後の診断経過、学校を休んだ日数、表れた症状とその度合い、病気の回復程度の主観的評価に関するデータを得ることができた。
(結果)
35人の内訳は、女性24人(68.6%)、男性11人(31.4%)、発病時の平均年齢は12.1歳であった。また、急に症状が現れた方8人(22.9%)、徐々に症状が重くなった方27人
(77.1%)であった。発病からこの追跡調査を行うまでの間、他の病気であると診断を
受けた患者はいなかった。追跡調査を行った時点では、症状が無くなった:13人(37.1%)、良くなってはいるがまだ症状が続いている:15人(42.9%)、慢性的に症状がある:4人
(11.4%)、発症時よりひどくなった:3人(8.6%)であった。現在の症状と回復の度合いに関して、診療結果調査(Medical
Outcome Study Short Form Survey)と良い相関が得られていた、8人(22.9%)が、2年以上学校を休んだことがあり、その内の5人は追跡調査時にはまだ休学中であった。追跡調査時の病状とその程度は、共に学校を休んだ日数と相関があり、またそれはこの病気の社会生活への影響力の大きさを表している。
(結論)
これらのデータは、現在の慢性疲労症候群の定義に当てはまる疾患が存在していることを示している。対象とした子供達の内の80%は、自分が満足できるほどに回復していたが、多くの子供達で中度の症状が続いており、20%の子供達は、発症から13年間、重い症状に悩まされ、限られた生活を送っていた。子供の慢性疲労症候群においては、少数だが継続して身体症状と障害が続く場合があると考えられる。
翻訳:Jp-Care
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